【2014東京クラス】第4回レッスンリポート(2014年10月23日)

今日は小雨の中でのレッスンとなりましたが、集中して良いトレーニングできました。

第3回まで「前進」を大きなテーマにしてきました。今回は「前進」するために必要となる攻撃側のブレイクダウンをメインに行ないました。また、コンタクトの流れでレスリングトレーニングやコンバットトレーニングも行ないました。

 

今回、指導した内容を順番にまとめます。

■レスリングトレーニング(コンバットトレーニング)

今回は順番が違いましたが実際はコンタクト準備運動として行います。ラグビーの動作だけでなく、レスリングなどのトレーニングを導入し、様々な体の動作にチャレンジしました。ラグビーは色々な体の使い方ができることが大事です。みんな、まだ、まだ、開発されていない運動神経があることに気づいたのではないでしょうか?コンバットトレーニングではペアで肉体接触のあるゲームをフィットネスになるような形で行ないました。ラグビーでもコンタクトフィットネスが大事だと言いますが、それと同じようなことをレスリングのゲームのような種目を取り入れて行うトレーニングです。数年前から海外の多くのチームがレスリングトレーニングを導入しています。日本代表でも総合格闘家の高坂さんという方が指導しています。息が上がった中でも、様々な体の動きを駆使して戦い続ける!これもラグビープレーヤーに求められるフィットネスです。また、時間を見つけてチャレンジしましょう。

 

■ボールキャリアの判断

コンタクト姿勢やプレー選択は相手のタックラーの姿勢によって変化させることが大事です。例えば相手のタックラーが低い姿勢であれば動きに制限があるのでステップで芯をずらすことが効果的です。もし、相手との間合いもなく、相手タックラーが高く構えているような状況でボールを受けた場合には、自分から相手の懐にタックルするように低い姿勢でヒットすることが大事になります。ゲーム中は、これらのことを無意識レベルで使い分けることが求められます。まずは、このような判断が必要となる練習を行ないました。

 

■ボールキャリアのヒットの姿勢

判断が出来きた上で芯をずらせない場合のコンタクト姿勢とダウンボールまでを指導しました。ヒットの姿勢については、中学生は筋力が未発達なこともあり、最初は腰を低くして良い姿勢でヒットしても、レッグドライブしている間に姿勢が高くなってしまう生徒が多く見られました。これは筋力の発達や柔軟性などと連動している課題である場合が多いです。今日の一日ではどうにもできない部分なので、生徒たちには目指すべきゴールは伝えました。また、スピードの出やすい姿勢から、ヒットの少し前に低い姿勢になるようなダウンスピードと呼ばれる動作も組み込みながら指導しました。


■ボールキャリアのダウンボール

ダウンボールについてはシックスと言われる動作を理想形として、それ以外にもジャックナイフと言われる動作も指導しました。実戦ではジャックナイフの機会が多いです。ダンボールについては相手にタックルされた状況によって動作を変化させる必要があります。目指すべきゴールは、ルールで許される範囲の中で、できるだけ自チーム側にボールを丁寧に置くことです。その後は、ヒットの姿勢から、ダウンボールまでの一連の流れを行ないました。

 

■サポートプレーヤーのオーバーの姿勢。

姿勢についてはボールキャリアとほぼ同じす。低さの目安は、相手の肩よりも低い位置に強く低い姿勢でヒットし、そのまま背中を真っ直ぐにして、レッグドライブすることが大事です。オーバーでもレッグドライブするうちに姿勢が高くなってしまう生徒がいました。ボールキャリアの姿勢と同様に、筋力の強化や柔軟性などを高めることも大事になります。

 

■サポートコース

コースについてはサポートプレーヤーが決められることではなく、ボールキャリアの状況によって変化します。ボールキャリアがゲインラインの後ろで捕まったような場合は、チェックコース(✔→このマーク)を意識してゲートから入る意識が大事です。また、その際に少しでも早くヒットできるような肩の方向も指導しました。ゲインラインを超えているときは、今度はYコースを意識することが大事です。ただ闇雲にオーバーに入っても、その際の姿勢や判断が間違っていては、体格的に不利な場合は良いサポートプレーができません。Yコースで言えば、斜め部分は加速して、下に降りる線のところは、少し減速してでも、判断し、そして正しい姿勢作り、その準備ができたら、ヒットする瞬間に、もう一度加速する。このような意識が大事になります。

 

■サポートプレーヤーの判断

今日は紹介だけにしましたが、ブレイクダウンのサポートプレーヤーは基本的にはゲートに一人ずつ参加します。なぜなら、ブレイクダウンは、相手チームの参加する人数や強さなどによって判断が必要だからです。サポートプレーヤーにも一人目の役割、それを踏まえての2人目の役割、3人目の役割と、それぞれに判断することが大事です。この部分については、今回は、紹介しかしていないので、今後、また、時間を見つけて指導したいと思います。


■簡易ラックゲーム

コンタクトの指導後は6対6の簡易なブレイクダウンが発生するラックゲームを行ないました。第3回までの「前進」に加えて、ボールキャリアのダウンボール、サポートプレーヤーのオーバーのコース及び姿勢までを意識して行わせました。少数ですが、自分のダウンボールの癖が出てしまったり、オーバーの姿勢が腰高になってしまう生徒もいました。全体的には練習の成果を発揮し、今までのゲームの中では一番よいブレイクダウンの姿勢でした。

 

第4回までが終わりました。ここまでやってきたことをおさらいします。ラグビーのプレーの原則においては「前進」を指導しました。細かいテクニックとしては、「ボールの持ち方」、「キャッチ&パス」、そして今回「攻撃のブレイクダウン」を行ないました。また、その他のテーマとして「コミュニケーション」もやりました。また、練習中の態度や、ルールを守ることの大事さも伝えましたね。

 

練習は嘘をつきません。今日の最後のゲームではこれらの部分が上達していたと思います。また、試合を待っている生徒も、他者のゲームを真剣に見ている姿が印象的でした。練習態度等については、これらも必要があれば、その都度、どうするべきかを伝えます。実はこの部分が、将来的にプレーヤーとして成長できるか?できないか?の大きな違いになります。

 

次回は「前進」と「コンタクト」を融合させた練習をして、その後は、オフザボールプレーヤーと言われる「ボールを持っていないプレーヤー」の役割を新しいテーマとして指導する予定です。次回のコンタクト練習はスピードのある状態でのヒットが起こるので、ヘッドキャップを持って来て下さい。来週は運動量の多い練習となりますが、防寒具の準備など、各自で寒さ対策も忘れないで下さい。来週も、みんなに会えることを楽しみにしています!

 

【第4回練習内容】

原則のテーマ:「支援(サポート)」

1、リアクション2対1

2、ストレッチ

3、コンタクト

1)レスリングトレーニング&コンバットトレーニング

2)タックルバックリレー

3)ボールキャリア(判断・姿勢・ダウンボール)

4)サポートプレー(姿勢・コース・判断)

5、6対6簡易ラックゲーム 

6、ストレッチ

 

メインコーチ 川合レオ

アシスタントコーチ 田沼宏之

サポートコーチ リコーブラックラムズ 森谷OB