【2016兵庫県神戸市クラス】第2回レッスンリポート(2016年12月14日)

こんばんは。メインコーチの冨岡です。今回は第2回目ということで、第1回目のミーティグでお話しした内容の通り、シラバスに沿って本格的なトレーニングに取り組んでいきたいと思います。本格的にといっても笑いなしの緊張感しかない練習にはしたくないので「楽しく、真剣に」練習できる環境を作っていきたいと思います。

 

さて、今回の第2回目のテーマは「攻撃時のスペースを見つける」練習です。

 

神戸クラスでは攻撃・防御時において最も大切にしていきたいのが「ポジショニング」です。ポジショニングとは攻撃時ではラン・パス・サポート・キックといったスキルを最大限に活かす為の根底にあるスキルです。ポジショニングで勝てばその局面の8割は勝った様なものです。そのポジショニングで勝つ為に一番初めに必要なスキルが「スペースを見つける」、神戸市クラスでは「シャークアイ(サメの目)」と呼んでいるスキルです。その次に「スペースに立つ (シャークポジション)」、「走る(シャークバイト)」ときます。

 

なぜシャーク◯◯かと言うと、サメは非常に優れた感覚機能の持ち主です。2km離れた獲物の位置を把握することができます。シャーク◯◯という共通言語を練習で使うことでコミュニケーションスピードの向上とパフォーマンス向上の2つを狙っています。特に期間の短い今回のラグビープログラムには最適な方法だと思います。いくつかの動作を一つにまとめ、言語化し、それを共有していくことで効率的且つ効果的なコミュニケーションを作り出せます。時間が限られた中で最大限に参加してくれた生徒が成長できるようにコーチングしていきたいと思います。

 

本日の流れです。

   ウォーミングアップ

   シャークアイを使った連続パス練習

   シャークアイを使い、視野を広げる練習

   5v3空いたスペースを見つける練習

   10v10シャークアイを使い、空いたスペースを見つける練習

   シャークアイを使ったスペースタッチ

 

②から⑥までは視野を広げるにあたり少しづつ人数を増やして難易度を上げ、少しづつゲームライクになる構成にしています。 

①ウォーミングアップ

気温も考慮し、動かしながらの股関節系、肩関節系のストレッチをしました。ゆっくりダイナミックに上肢・下肢の連動させながら筋肉をほぐしてあげることで関節可動域が広がり怪我のリスクを減らします。恐らく初めて教えてもらった動作ばかりなので基本的なフォームはまだ習得できていませんが、少しづつ慣れてくれればと思います。

 

②シャークアイを使った連続パスドリル

このパスドリルは3人1組から4人1組で行うメニューですが、連続的に自分の順番が回ってきます。そこでぼーっとしているとキャッチミスが起きたり、サイクルがストップしてしまいます。ボールをもらう前に「シャークアイでスペースを見つける」、パスが終わった後も「シャークアイで次の仕事を見つける」ということにフォーカスして練習しました。ですので、ここでは特にパスの精度などにはあえてコーチングせず、「見つける」ということだけにフォーカスして練習しました。生徒の多くが一度パスしたら動きを止めてしまう傾向があったので、常に皆が持つ感覚機能を高めてもらい広い視野を持ってプレーするように心がけてもらいました。感覚機能を高めることに集中することで、ミスも減り、コミュニケーションもよく取れる様になったと思います。ラグビーのスキルは意識で変えられる部分がほとんどですね。

 

③シャークアイを使った視野を広げる練習

ここでは視野を広く持つ為に5m四方を使った練習をしました。動きながら前を見つつ、横(両サイド)も見つつといった練習です。この練習は視野を広げる為のメジャーな練習ですが、言葉を変えて目的を明確にすることで質の違った練習になります。シャークアイをする人は前に立つ人、両サイドで動き続ける人の3人を同時に見ながらポジショニングをとらなければいけません。1人に意識がいきすぎて周りが見えなくなってしまう生徒が多くいました。視野というのは全体を捉える目と点を捉える目の両方が必要です。イメージでいうと「黒目で点を見て白目で全体を見る」といった感じでしょうか。笑 この練習では両方の視野が求められますので、慣れていない生徒には難しかったと思います。一点を見ながら全体像を把握できる生徒、それぞれ動く点を首を振って瞬間的に繋げ全体像を作っていく生徒、一点しか見えない生徒と色んなタイプの視野を持った生徒がいることを知れたことはよかったと思います。慣れればプレーの幅が広がり、試合で活きるスキルに変わっていくと思います。生徒の皆さんにはシャークの様な広い視野を持ってほしいと思います。

 

5v3シャークアイを使ったスペースを見つける練習

この練習は攻撃側が有利な状況で防御側の空いたスペースを早く見つけ、その情報をシェアする練習です。ラグビーはいかに早く相手の弱い部分を見つけることができるかが勝負の鍵になります。空いているスペース、つまり防御網に傷口ができているかを早く見つけ、そこを早く味方でシェアし、攻めていかなければいけません。生徒たちは初めはスペースを見つけることに少し時間がかかっていたので、コーチが「早く見つける」為に動き出しのスピードを上げてみてはどうか?と問いかけ実践すると、見つけるスピードと情報をシェアするスピードが格段に上がりました。素早く動きながら大きな声でミュニケーションすることができて良かったと思います。

 

10v10 シャークアイを使い、空いたスペースを見つける練習

簡単に言うと単なる1010の通り抜け鬼です。(笑)2チームに分かれ22mライン上に防御側、対面の少し(2mくらい)離れた位置に攻撃側が並び、60秒間で防御側にタッチされずに何回スペースを見つけ通り抜けれたかを競う練習です。ここで最も多く出た課題が「自分の対面周辺のみのスペースしか見れない」とういうことでした。今日のテーマはシャークアイ(感覚機能を最大限に発揮し広い視野を持つ)でスペースを見つけることです。多くの生徒はスペースは見つけようとしていましたが、決して広い視野を持ってスペースを見つけようとはしていませんでした。途中で課題認識を持たせたことで首を振って遠くを見るようになったり、自分の立っている場所から一番遠い逆サイドに走っていったり、攻撃側に動きが出て防御側はかなり守りにくそうでした。このスキルを試合で活かせるようになってほしいと思います。

 

⑥シャークアイを使ったスペースタッチ

これも単なる前パスありのスペースタッチフットです。(笑)どれもこれも真新しい練習ドリルではありません。私はコーチング>ドリルだと思っていますのでそこにこだわってやっていきたいと思います。単なる言い逃れかも知れません。(笑)さて最後のスペースタッチでは前パスルールを加えることでバスケットボールの様に前後左右からパスが飛んできます。また前後左右から防御されます。ということは攻撃側も前後左右の幅広い視野を持つことが必要になるわけです。シャークアイというキーワードを使うことで視野を広く持ちスペースがどこにあるか常に探し、縦横無尽に走り込む光景が多く見られたのは良かったです。ただ反省点をしては中学生クラスを2チームに分けて実施した結果、ボールをあまり触れない生徒が出てしまったということです。ボールを持たなくてもスペースに立てていればそれだけで防御側の人間を引きつけていることになりますので、十分に仕事はできています。ただ、せっかく来てくれているので次回はボールタッチ回数を増やして上げられるように4チームに分けて実施したい思います。

 

次回は「スペースに立つ」練習をしましょう!皆さんお楽しみに!

【第2回練習内容】

1、ウォーミングアップ

2、シャークアイを使った連続パス練習

3、シャークアイを使い、視野を広げる練習

4、5v3空いたスペースを見つける練習

5、10v10シャークアイを使い、空いたスペースを見つける練習

6、シャークアイを使ったスペースタッチ

 

メインコーチ:富岡

アシストコーチ:梶原