皆さま、明けましておめでとうございます。メインコーチの冨岡です。1月11日より2017年度放課後ラグビープログラム神戸クラスが再開致しました。本年も宜しくお願い致します。
お正月と言えば、高校ラグビーと大学ラグビーという印象ですが、高校ラグビーは東福岡が優勝しましたね。仰星も健闘していました。しかし、両者レベルの高い決勝戦でどちらが勝手もおかしくない試合だったと思います。仰星の湯浅監督の言葉に「甘い、甘すぎる」と最後コメントを残されていましたが、私が高校一年生の時に三年生が全国大会決勝で破れ、当時の監督に三年生が「良い勝負だったなんでいらない」「準優勝も1回戦負けも同じ」と木っ端みじんにボロカス怒られていたことを思い出しました。湯浅監督はまだ優しいかも知れませんね(笑。私はそのお陰で成長させて頂く事ができました。。。
さて、そんな話はさておき、第4回目を迎えた今回は昨年に引き続いて「トライをとる」ことに必要なシャークアイ(視野)、シャークポジション(ポジショニング)の次のステップであるシャークバイト(噛み付く)にフォーカスし、練習に取り組みました。
ここで一度、目的を整理したいと思います。
なぜ、このようなテーマにフォーカスして練習の構成をしているのか?逆算的に考えるとこうなります。攻撃の最大目的はトライをとる為(④)。トライをとる為には防御網を突破し、前進する為(③)シャークバイト。前進する為には精度の高いパススキルとポジショニング(グ幅、深さ、タイミング)が必要(②)シャークポジション。いいポジショニングをする為にはスペースを見つける(①)シャークアイ。※ブレイクダウンの精度も大きく影響さますが、ここでは一旦置いておきます。つまり、④に辿り着く為には、これまで取り組んできた①から③のプロセスを踏んでいかなければいけません。スペースを見つける「シャークアイ」、いいポジショニングに立つ「シャークポジション」、そして最後に防御網に噛みつき傷を負わせる「シャークバイト」が必要になるのです。
今回は「シャークバイト」で防御網に傷を負わせ、修復する前に更に傷口を広げる為に必要な「シャークアイ」と「シャークポジション」にフォーカスして練習に取り組みました。
練習の構成はこちらです。
①ウォーミングアップ(・フロントランジ・バックランジ・サイドランジ・リアクションドリル)/②シャークバイトをする為にシャークポジションが必要であることを認識する為のスローペースタッチフット/③シャークポジションパスドリル①/④シャークポジションパスドリル②/⑤60秒間連続アタック/⑥シャークアイとシャークポジションにフォーカスしたタッチフット
ここからは当日の様子を書かせて頂きます。
①ウォーミングアップ
股関節の可動域を広げることと寒かったのリアクションドリルなどで筋温を上げることを意識して取り組みました。生徒たちの額や首元を見るといい感じで汗をかいていたので、身体はあったまったと思います。
②シャークバイトをする為にシャークポジションが必要なことを認識するスローペースタッチフット
ここでは、今回のテーマがどういったシチュエーションでの練習なのか?その為には何が必要なのかを先にイメージを持ち、練習の質を高める目的で行いました。試合の反省ビデオミーティングを現場で実施したようなイメージです。タッチフットを笛の合図で途中で止めて、止まった状態で身体はもちろん、目線、顔なども絶対動かないように指示しました。
すると、こういう現象が起こりました。ボールウォッチングしすぎてしまい、目線、顔、身体はボールがある方向に向いてしまい、肝心なスペースがどこにあるかを見つけるシャークアイができていませんでした。シャークアイができていないということはシャークポジションに立てません。攻撃ラインが防御ラインと横一列に平行して並んだ状況になってしまっていたのです。これだと空いたスペースにボールを運ぶことができません。この状況を解決する為にどういうポジショニングに立てばいいのかをみんなで考えました。先に見せて課題認識をさせた上でこの後の練習に取り組みたかったのです。
③シャークポジションパスドリル①
この練習はシンプルに3人で「深さ」を保ちラインを作ってパスを回す練習です。②で浅いラインになってしまい、スペースにボールを回せない状況が生まれてしまっていたからです。これはおそらく、試合でも同じ現象が起きていると予測しています。スペースに走る為には深さのタメが必要です。獲物を仕留める為に焦らず弓を深く引き、タメて、矢を放つイメージと似ているのではないでしょうか。こちらがマーカーで立ち位置を矯正していた部分もあったので、スピードはかなり良くなりましたが、パスミスが多く必要なパススキルが追いついていない印象でした。またパスミスが起きている原因の一つとしてコミュニケーションも大事です。どのタイミングでほしいかコミュニケーションがあればもう少しミスを減らせました。
④シャークポジションパスドリル②
この練習は昨年もやりました。パスだけで終わるのではなく、サポート、リロードしてポジショニングが含まれたパスドリルです。マーカーで深さを設定しない分、先ほどの練習よりも感覚的な部分が重要になってきます。ここで起きた状況はタメを作れず攻撃に参加する全員が②の状況になってしまっていたことです。ボールをもらう人が浅すぎる為、ランナーに勢いがない、パスが点になってしまうので少し外れてしまうとパスミスに繋がってしまうという問題が起きました。ここで「深さ」を再認識し、練習に取り組んでいきました。まだまだ感覚を掴む為には繰り返し練習が必要です。
⑤60秒間連続アタック
この練習は攻撃と防御に分かれ、60秒間攻撃し続ける練習です。防御側はボールを持つプレーヤーにタッチすると5m後ろに設定されたオフサイドラインまで毎回戻らないといけないルールのもと行いました。攻撃側は防御側が戻っている最中に攻撃をしかけてもいいのですが、攻撃側には「深さ」にフォーカスして攻撃しようと声をかけたので、防御が下がっているのにも関わらずラインを深く保とうとしていたので、ボールを回す時には防御側に防御網を整備させる時間を与えてしまい、目的がバイト(噛み付いて)してトライをとることから「深さを保つ」になってしまいました。これは練習メニューのチョイスが良くなかったです。深く反省です。この練習のルールでは今回のテーマの成果を得ることは困難と感じたので予定より短い時間で終了しました。本当に反省です。
⑥シャークアイとシャークポジションにフォーカスしたタッチフット
ここでは試合に近い状態で今回のテーマをどれだけ意識してやれるかを見ました。攻撃の全ての局面で「深さ」が必要なわけではありませんが、局面局面で意識しようとしているかが重要なポイントです。全体的に見るとまだまだできていません。これは当然です。練習の最後に子どもたちに言いましたが、一日、二日でできるものじゃなく何年も積み上げていくものなので、ここではやろうとしているかどうかを私は見ていました。
数名の生徒たちはかなりいい意識でやろうとしてしました。ほとんどの生徒たちは「シャークアイ」「シャークポジション」と声をかけてあげるとそこコールに反応し、いいポジショニングに立とうとしていました。ここでの成果はトライをとれたどうこういうことではなく、トライをとる為には何が必要なのかを認識してもらえた今回のセッションだったと思います。
来週は防御のシャークアイの練習です!お楽しみに!
【第4回練習内容】
1、ウォーミングアップ
2、シャークバイトをする為にシャークポジションが必要なことを認識するスローペースタッチフット
3、シャークポジションパスドリル①
4、シャークポジションパスドリル②
6、60秒間連続アタック
5、シャークアイとシャークポジションにフォーカスしたタッチフット
メインコーチ:富岡
アシストコーチ:梶原