【2016兵庫県神戸市クラス】第6回レッスンリポート(2017年1日25日)

こんにちは。神戸市クラスメインコーチの冨岡です。レポートを書く前に、私がこれまで紹介させて頂いた「シャークアイ」「シャークポジション」「シャークバイト」といった、なぜこんな表現方法を使ってコーチングしているのかを少しご説明致します。

 

私が数日前に東京に行った時にいつも勉強させて頂いているある方とお会いし、その方から、仲間うちだけに通じる特殊用語のことを「ジャーゴン / jargon (英語」と言い、これを企業で使えるようになったら面白い。などといった会話をしていました。なぜそんな話しになったのかは割愛させて頂きます。

 

このジャーゴンを使う目的は「伝達スピードを上げ、効率的且つ生産的に成果に導く為」です。これってラグビー界ではよく使っていますよね。でもこれが何なのか、何の為に使っているのか、どういった効果があるのかを分かっているのと、いないのと大きな違いです。私においては、意味や効果は当然理解していながらも何気なく自然に使っていた言葉が「ジャーゴン」ということを新たに知り、新しいボックスが頭の中にできたことでスッキリ整理できました。

これから同じ言葉を発しても整理された状態で伝えられるので、伝達力が上がりますね。(そうなってほしい)

 

会社でもプリントアウトして、ホッチキスで止めて、ファイルに入れ、棚にしまうことを「シャークバイト」なんて表現しても面白いかも知れませんね。

「◯◯さん、シャークバイトしといて!」みたいな感じで。笑

 

さて、本題に入り、今回のテーマは防御時の「シャークポジション」です。シャークポジションはラグビーの原理原則である「見つける」「立つ」「使う」の「立つ」の部分にあたります。※この原理原則は我々が独自で決めた法則です。絶対ではありませんので誤解のない様お願い致します。確実に相手を仕留める為には「仕留められるポジショニングに立つ」、つまり「シャークポジション」に立つということがタックルの精度を大きく変え1つの要因になるでしょう。

 

今日の練習です。

 

①ウォーミングアップ

4人1組ロングパス/  4人1組キックパス/ 股関節ストレッチ/アキレス腱ストレッチ

 

②シャークアイ ビジョンドリル(ファンゲーム)- 相手を見つける① - 

2チームに分かれ、通り抜け鬼を実施しました。60秒間攻撃側が鬼にタッチされることなく何回通り抜けれたかという誰もが知っているゲームです。このファンゲームでは、防御側の連携がとても大事です。15人ほどのプレーヤーが横一列になるので、端に立つプレーヤー同士のコミュニケーションは困難を極めます。そこでいかにコミュニケーションを取りながら、シャークアイで状況を把握し、シャークポジションで攻撃プレーヤーの前に立ち防御するのがキーになってきます。実際にやってみると想像通り、端と端どころか真横にいるプレーヤーとの連携もとれておらず、一方のサイドは攻撃側にバイトされまくる壊滅的状態を作りだしていました。笑 防御側は対処しようがなく、ただ棒立ちで見ている状態でした。笑 「シャークアイ」で見つけたその情報を共有する重要性がここでは発見できました。

 

③シャークアイ ビジョンドリル②(ファンゲーム) -相手を見つける②-

このゲームはグランド半面の中央に2列で向かいあったプレーヤーのどちらかが逃げる、捕まえる役に分かれ、笛の合図でサイドのラインにタッチし、逃げる

側は対面の捕まえる側のプレーヤーにタッチされずに反対側のサイドラインに逃げるというゲームです。このドリルはサイドラインにタッチしてからスター

トするので一度相手を見失います。そこからシャークアイで相手を見つけ捕まえにいかなければいけません。相手を見失わずに見つけるのにいい練習です。

 

これも①に似ていて15人が一斉に走ってくるので対面プレーヤーを見つけることが中々難しくなります。見失ってしまっているプレーヤーもたくさんいました。笑 こういったファンゲームの中にもたくさんラグビーに必要な要素も含まれていますのでバランス良く練習の構成を考えていくのも大切ですね。

 

④呼び込みシャークアイ ドリル スペースを立って、スペースを埋める-

前回と同じメニューです。前回の反省点であった「スペースだけをみるのではなく相手とスペースの両方を見ながらポジショニングする」という点を共有してから取り組みました。すると1発目から相手の攻撃に対し、隙のないビシっと整理された防御ラインで防御することができました。素晴らしい。

その後も前回とは大きく精度が向上したことは言うまでもありません。本当に集中した精度の高い練習ができました。

 

ここで出た課題はシャークアイで気付いたギャップをカバーしに行く際にコミュニケーションがないまま動いてしまっていたので、折角いいシャークアイとシャークポジションができているにも関わらず、コミュニケーションがなかったのでいい防御に繋がりませんでした。コミュニケーション大事ですね。サメは話すことができませんが、代わりに嗅覚が発達しています。生徒は嗅覚だけでプレーしてしまっていたので、そこは人間ですから是非、話すようにお願いしたいと思います。笑

  

⑤シャークアイ・シャークポジション タックルドリル 確実に相手を仕留め-

前回と同じドリルです。ですが、前回は静止したタックルバッグの前に立ち、タックルするというシンプルな内容でしたが、今回は攻撃側にヒットシールドを持ってもらい、動きをつけました。その中でシャークアイ、シャークポジションを活かしてタックルするという少し難易度を高くし、生徒たちにチャレンジしてもらしました。攻撃が動くという実戦に近い状態を作り出した為、課題がより見えてきました。その課題とは、動く相手を見失い、シャークポジションに立てずタックルミスをしてしまうというものです。

 

セットスピードを上げれば上げるほど、この課題は顕著に現れ、よりキーファクターを意識しなければ効果的なタックルに繋げることはできません。

しかし、生徒たちの成長スピードは目覚ましく、こちらが一言かけるだけですぐに課題を克服し、成果が現れました。

 

コミュニケーションも素晴らしかったです。「こっちに来い!」と呼び込み、「こいつ見た!」とノミネートしたり、「揃った揃った!」とワンラインで上がる為のコールをかけていたり、確実に目の前にある状況を把握し、横にいる生徒と連携しながら取り組めていたことはとても良かったです。

コーチングスタッフもシャークアイで生徒たちの成長を見逃さない様に心がけます。

 

⑥ゲインメーター タッチフット  侵入を防ぐ -

このドリルは2分間で防御側が攻撃側の侵入をいかに防げるかという練習です。侵入を防ぐには、攻撃によって傷つけられた防御網を修復し続けなければならないのです。その為に、防御側は攻撃側よりも先にシャークアイで傷つけられた防御スペースと、その傷口を広げにくる攻撃側のプレーヤーを見つけることが必要になります。それができてくると攻撃側の侵入を防げることに繋がるのです。生徒たちは、侵入を防ぐにあたり、これまで取り組んできたシャークアイで相手を見つけようとしていました。まだまだ完璧ではありませんが、シャークポジションに立とうとする様子が見られました。

コミュニケーションも⑤のドリルと同様、「こっち来い!」とラインを揃える為に大きな声で呼び込んでいたり、「あいつ見た!」「上がれ!」「待て!」などのラインをコントロールする為に必要なコールも積極的に行っており、感心して見ていました。ある局面ではまだミスに繋がるプレーもありますが、「シャークアイ!」というコールをかけると、生徒たちはそのコールに反応し、すぐさま相手とスペースを見る姿勢を見せていました。冒頭に書いた「ジャーゴン」の力がここで十分に確認できたことは私にとって成果でもありますので、この成果を更なるコーチング向上に繋げたいと思います。

 

それではまた来週!次回も同じく「防御時のシャークアイ、シャークポジション」です!お楽しみに!

 

【第6回練習内容】

1、ウォーミングアップ

2、シャークアイビジョンドリル①

3、シャークアイビジョンドリル②

4、呼び込みシャークアイドリル

5、シャークアイ・シャークポジション タックルドリル

6、ゲインメータータッチフット

 

メインコーチ:富岡

アシストコーチ:梶原