皆さんこんにちは。神戸市クラスメインコーチの冨岡です。前回お話をさせて頂いた、「ジャーゴン(特殊用語)」を、神戸市クラスでは、「シャークアイ」、「シャークポジション」、「シャークバイト」といった言葉で活用しております。最近では「シャークアイ!」と声をかけると、生徒たちは相手の動きやスペースだけでなく、仲間の動きも見るようになり、改めて「ジャーゴン(特殊用語)」の利便性、そして何より子ども達の吸収力の早さを実感しております。
今回も、前回に引き続き「シャークポジション」をテーマにレッスンを実施いたしました。第6回レッスンリポートにも書かせていただいた通り、「シャークポジション」は、有効なタックルを体現するための、必要不可欠な要素の一つです。どの分野でもそうですが、「意思」が明確になることで、それに伴う「準備」が明確になります。例えば、ディフェンスとは「守るだけ」ではなく、「攻める」という明確な意思を持てば、その意思を体現するために必要な、準備をすることができるようになります。生徒たちに、明確な意思を持たせることができるよう、今回も様々なアプローチ方法に注意して、分かりやすい指導を心がけます。
本日の練習構成です。
①ウォーミングアップ
②シャークアイビジョンドリル(ファンゲーム)‐相手を見つける①‐
※詳細:「第6回神戸市クラスレッスンリポート」記載
前回実施時は、棒立ちになってしまい、うまく動けない生徒、1人で相手2人、3人をとめようとする生徒が多く見られましたが、今回は「マークしている!」、「こっちへ来て!」、「相手が少ないから詰めていいよ!」など、コミュニケーションをとる生徒が増えつつありました。全体的には「よく理解できない」、から、「理解はできているのに、体現することが難しい。」へと変わりだしているように見受けられます。あと一歩のきっかけを作られるよう、新しいアプローチを考えなくてはなりません。
③シャークポジションドリル‐アタックよりも迅速に‐
ポイントに見立てたマーカーを、15~20個ほど設置。SHがランダムに選択したポイントを基準に、5人1組で、アタックよりも早く、強いシャークポジションを取るという目的を持ったドリルです。ここではまず、「早くセットをする。」に加え、「ボールウォッチにならない(アタックの動きも視野に入れる)。」、「仲間同士でコミュニケーションをとる(ex まっすぐ下がろう。・ノミネートをしよう)。」ことが大切だと、アプローチを行いました。②シャークアイビジョンドリルの成果が出ていたのか、このドリルでは、相手を視野にいれながら、仲間同士、大きな声でコミュニケーションをとり合うことができていました。ポイントが決まってからのセットスピードには、若干の個人差があるものの、「意思がないと、できない動き。」が多く見られました。
④シャークアイ・シャークポジションにフォーカスしたタッチフット
「タッチフット」は、比較的アタックだけに興味を持ってしまう生徒が多いので、ここでは「ディフェンスになった時、今までの成果が発揮できるかチャレンジをしてみよう!」という目標を導入時に掲げ、計4試合を行いました。1試合目は「やっとボールを持って走ることができる!」と言わんばかりに、生徒たちは大はしゃぎです。(もちろん、この感情はとても大切で、「楽しい!」から、感覚やテクニック、魅力や発想がたくさんうまれるものです。)1試合目は特に触れず、続いて2試合目へと進めた序盤、アタック4人対ディフェンス2人という場面がやってきました。いったんゲームを中断。その場で立ち止まってもらい、この状況を問いかけてみると、「シャークアイができていないし、シャークポジションができていない!」と、1人の中学生が発言してくれました。その発言のおかげか、もう1人の中学生も、今回取り組んだドリルを存分に発揮し、本番の試合さながらの動きを見せてくれました。3試合目が始まる前、今回のドリルを意識的にタッチフットで発揮していた中学生2人を呼び、「それぞれ両チームのリーダーとなり、今回取り組んだドリルを、チーム全員で再確認してみて下さい。」と伝えてみました。3試合目ではあまり変化は見られなかったものの、4試合目になると、仲間同士でコミュニケーションを取りだし、シャークアイ・シャークポジションを意識した動きが増えてきました。結果、4試合目が両チーム、今日1番のロースコアゲームとなり、最後に全員が「良い感覚」を持てたと思います。ドリルの導入時に掲げた、「ディフェンスになった時、今までの成果が発揮できるかチャレンジをしてみよう!」という目標を、小学生にも理解しやすいように伝えてくれた中学生には感謝です。このような交流、経験というのは、本当に異年齢集団の醍醐味ですね。
さて、今回のレッスンテーマ「シャークポジション」については、全体的に、「理解はできているのに、体現することが難しい。」という段階にきていると思います。このスキルは、高校、大学、社会人と、どのカテゴリーでも重要であり、どのポジションにも求められるスキルの1つです。次回、さらなるステップアップが出来るよう、新しいドリルや、アプローチ方法を導入しようと思います。
【第7回練習内容】
1、ウォーミングアップ
2、シャークアイビジョンドリル(ファンゲーム)‐相手を見つける①‐
3、シャークポジションドリル‐アタックよりも迅速に‐
4、シャークアイ・シャークポジションにフォーカスしたタッチフット
メインコーチ:富岡
アシストコーチ:梶原