平成30年度兵庫県神戸市クラス


 【兵庫県神戸市クラス】

実施期間:2018年10月8日~2018年12月3日(全8回) 

開催時間:18:00-20:00

開催日程:(毎週月曜日)10月8日(祝)・15日・22日・29日、11月5日・12日・19日、12月3日 

実施会場:神戸親和女子大学鈴蘭台キャンパス 〒651-1111 神戸市北区鈴蘭台北町7丁目13-1 

協力団体:神戸親和女子大学・神戸親和女子大学ラグビー部 

統括:伹尾 哲哉(日本体育協会公認スポーツ指導者ラグビー上級コーチ/神戸親和女子大学副学長) 

メインコーチ:平尾 剛(指導者資格:JRFUスタートコーチ/親和女子大学ラグビー部顧問/ラグビー元日本代表)

サポートチーム:神戸親和女子大学ラグビー部格:日本ラグビーフットボール協会強化コーチ・元ラグビー日本代表)

アシスタントコーチ:梶原 隼平(JR西日本ラグビー部レイラーズスタッフ)


【2018 兵庫県神戸市クラス】第2回レッスンリポート(2018年10月8日)

  初日は8名全員が参加。屋内で顔合わせとプログラム内容を説明したあとグラウンドに出る。昨年に引き続いて参加する子供たちが3名、また同じラグビースクールに所属する子供もいて、最初から和やかな雰囲気で始めることができた。

 

 本学のラグビー部員と合同で行うため、お互いを知る上で名前を呼び合いながらのパスドリルをはじめに行った。その後、1ON1で子供たちの技量を確認してからタッチフットボール。大学生から積極的に声をかけるシーンも見られて、終始、和気藹々とした空気が流れていたように見受けられる。

 

  ただ、やはり年齢差があるため、小学生がトライをする場面が少ない。小学生は3点、中学生は2点、大学生は1点とハンデをつけたものの、競技力の差は如何ともし難く、この点は次週以降の課題として配慮していきたいと思う。 


【第2回練習内容】

1、開会式

2、円になってパス(名前を呼び合いながら)

3、1ON 1

4、タッチフットボール

 

メインコーチ:平尾

サポートチーム:神戸親和女子大学ラグビー部

総括:伹尾

【2018 兵庫県神戸市クラス】第3回レッスンリポート(2018年10月15日)

 ウォーミングアップを兼ねてパスドリルを行う。指導したスキルは「ワンモーション」。走る速度を落として、キャッチからパスまでの時間を短くするように促した。歩きからジョギング、そしてトップスピードと、徐々にスピードを上げていく中で要領をつかむ子供もいた。

 

 続いては2 0N 1。相手DFに迫ると走るスピードが緩まる、もしくは止まる子供がいたので、なるべくスピードを落とさずにパスをすることを指導した。

 

 ディフェンス練習ではボールを使わず、ディフェンスラインを一列に揃えることを意識させて行った。一列に揃えるためには横の人とコミュニケーションを取る必要がある。あくまでもタッチフット前の意識づけとして、軽く行う。

 

 練習のメインであるタッチフットボールでは、先週の反省を生かして、「小学生は2回タッチされるまで走ることができる」というルールを追加。それを元に各チームで作戦を立ててから行う。先週に比べて小学生がトライするシーンが増え、しかもこの新ルールに適応しようとコミュニケーションの総量が増えて、活気溢れる雰囲気になった。

 

 課題は中学生がもっと活躍できるようにすること。次週はまたルールの工夫を行うつもりである。

 

追記:サンテレビ「4時キャッチ」という番組から取材を受けた。放送時間の関係で出演は大学ラグビー部員のみだったが、放課後ラグビープログラムの趣旨やラグビーの魅力などを語り、部員たちが練習する様子が放映された。(10月15日(月)16:20ごろに生放送) また神戸市教育委員会事務局スポーツ体育課国際スポーツ室から1名が練習見学に来られたことも、合わせて報告しておきたい。


【第3回練習内容】

1、対面パス

2、20N 1

3、ディフェンス練習

4、タッチフットボール

 

メインコーチ:平尾

サポートチーム:神戸親和女子大学ラグビー部

総括:伹尾

 

【2018 兵庫県神戸市クラス】第4回レッスンリポート(2018年10月22日)

  1人欠席で参加者は7人。ラグビー部を合わせた総勢22人で練習を行った。

ウォーミングアップを兼ねたパスドリルでは、手元のボールを真上に投げ、それが落下するまでのあいだにもう一方のボールでパスをつなぐという内容。目標を10回に設定したが、小学生にはやや難しかったようで、かろうじて1回できるかどうかだった。

 

 この日のテーマは、「上体をひねってのパス」。走りながら後方にいる味方選手にパスをつなぐためには、上体をひねる必要がある。それにターゲットを絞って練習を組み立てた。

 

 まずは止まった状態で斜めにラインを作っての「手渡しパス」。具体的にどれだけひねればよいのか、それを意識づけた。そこから発展させたのが「中抜きパス」。向かい合って立つ2人のあいだを走りながらパスをする。これを3回連続で行う。パスに集中するために、走るスピードはジョギングに設定。うまくできるようになった人は徐々に速度を上げるよう指示を出した。

 

 締めくくりはディフェンスをつけての「2 on 1」。実際に向上させる技術を具体的に示し、難易度を段階的に上げたためか、回数および練習メニューを経るごとにパスがうまくなったように見受けられた。

 

 そして最後はいつものようにタッチフットボール。小学生がトライする場面が、先週よりもさらに増えて盛り上がった。練習終了後に、ある小学生から「また来週もタッチフットしますよね?」と声をかけられ、楽しんで取り組んでいることが見て取れた。付き添いの保護者からも子供たちが毎週楽しみにしていると聞き、すでに雰囲気に馴染めたようで胸をなで下ろしている。

 

 練習中の明るい雰囲気は、ラグビー部の学生が積極的に声をかけてくれるからで、そうした学生たちの振る舞いにはあらためて頭が下がる思いである。

 


【第4回練習内容】

1、パスドリル(3人でボール2つ)

2、手渡しパス

3、 中抜きパス

4、2 on 1

5、タッチフットボール

 (コンタクトスキル)

 

メインコーチ:平尾

サポートチーム:神戸親和女子大学ラグビー部

総括:伹尾

 

【2018 兵庫県神戸市クラス】第5回レッスンリポート(2018年10月29日)

 全員出席。ラグビー部員と合わせて17人で行う。

 

「キックの練習がしたい」という要望があったので、最初にウォーミングアップがてら向かい合って蹴り合う。蹴る前の動作として、ボールを「上げる」のではなく「落とす」こと、足首を伸ばすこと、足の甲でミートすること、顎が上がらないようにすることを指導する。蹴り慣れていないからか足首が痛くなる人が多くて、ほどなく切り上げる。ただ、みんなキックは好きなプレーらしく、楽しそうに行なっているように見受けられた。

 

 今日のハイライトは、ハーフから持ち出しての「2 ON 1」。人数がいないサイドに走り込んでパスを通すためには、アタック2人の間でコミュニケーションが必要となる。「右」や「左」など攻め込むサイドを指示する声、ボールが欲しいタイミングを伝える声(あるいはそれを聴く構え)などを意識させて行った。様子を見ていると、ただ声を出すだけでうまく連携が取れていない場面が多く、ここは今後も継続的に指導していく必要がある。

 

 その後はタッチフットボール。人数が足りなかったので、僕自身もレフリーをしながら参加した。今日も熱のこもったプレーが頻出していたが、これは放課後ラグビーの面々とラグビー部員たちが打ち解けてきたからだろう。怪我する人もおらず、いい雰囲気だった。

 


【第5回練習内容】

1、キック(2人組)

2、対面パス

3、2ON 1(ノーマル→ ハーフから持ち出して)

4、タッチフットボール

 

メインコーチ:平尾

サポートチーム:神戸親和女子大学ラグビー部

総括:伹尾

 

【2018 兵庫県神戸市クラス】第6回レッスンリポート(2018年11月5日)

   1人欠席。神戸親和女子大学ラグビー部員も参加し、20人で行う。

 

   気温が低かったこともあって、簡単なウォーミングアップをしたあとはゲーム形式の練習で運動量を上げた。

 

 スペースボールとは、前パスありで前進を図るゲームである。コミュニケーションが大切なのはもちろんだが、スペース感覚を身につけるには絶好の練習で、4チームに分け、それぞれチーム内での作戦タイムをとりながらトーナメント戦を行った。勝負がかかると集中力が増すのがこの年代の子供たちで、チームごとにラグビー部員がイニシアチブを取りながらよく話し合っていた。

 

 そのままタッチフットボールに突入。今度は総当たりのリーグ戦を行う。印象的だったのは、「小学生は2回タッチまでOK」というルールをうまく活用した戦い方を、それぞれのチームが心がけていたこと。小学生自身もそれをわかっていて、ゴール前ではポイント近くではなくワイドに立っていた。ラグビー部員も、小学生や中学生を活かすべく、ラインブレイクしても周りのフォローを探す場面が見られ、互いを思いやることでいい相乗効果が生まれていると思われる。

 

 いつもより運動量が多かったにも関わらず、練習後は楽しそうな表情を浮かべる人が多かった。指導者としてはうれしい限りである。


【第6回練習内容】

1、スペースボール

2、タッチフットボール

 

メインコーチ:平尾

サポートチーム:神戸親和女子大学ラグビー部

総括:伹尾

 

【2018 兵庫県神戸市クラス】第7回レッスンリポート(2018年11月12日)

   一人欠席で、ラグビー部員と合わせて17名で行う。

 

  いつも通り、ウォーミングアップを兼ねての対面パスから始める。今回はボールをキャッチする前の「タメを作る」をテーマに行った。

 

  パスが放られる前にズルズル前進しないように、また止まった状態でキャッチしないように、必ず走りながら速度を落とさずにキャッチするスキルは、ラグビーには不可欠である。このスキルに焦点を当てて、少し長めにドリルを行う。このスキルはそれ相応の「身体感覚」が伴うので、最初は戸惑う子供や学生もいたが、練習を繰り返すうちに徐々に理解が追いついてきたように見受けられる。

 

  最後のタッチフットボールではこの「タメを作る」ことを意識させた。結果としてよくボールがつながる場面が散見されたように感じる。終了後の簡単なミーティングでは、子供や学生たちからもいつもよりパスがつながるようになったことを実感していた様子がうかがえた。


【第7回練習内容】

1、対面パス

2、タメを作ってのパス

3、タッチフットボール

 

メインコーチ:平尾

サポートチーム:神戸親和女子大学ラグビー部

総括:伹尾

【2018 兵庫県神戸市クラス】第8回レッスンリポート(2018年11月19日)

  一人欠席で、ラグビー部員と合わせて23名で行った。

 

 対面パスのあとは、先週のおさらいとして「タメを作る」ためのドリルを短めに行う。その後は「シザースプレー」のドリルに移行。ボール保持者には、相手DFを引き付けるためのコースどりを指導、受け手にはコースを変えるタイミングとキャッチしてからのコースどりを指導。二人の息が合わなければなかなか難しいプレーだから、すぐに身につくわけではないため、シザースプレーの基本を理解することを目的とした。あとは反復する中で身につけてもらいたいと望む。

 

 最後のタッチフットボールでは、シザースプレーを試みる場面が散見された。実戦形式の練習ですぐに試そうとするその姿勢に、彼女たちの将来性を感じた次第である。


【第8回練習内容】

1、対面パス

2、タメを作ってのパス

3、シザースプレーのドリル

4、タッチフットボール

 

メインコーチ:平尾

サポートチーム:神戸親和女子大学ラグビー部

総括:伹尾

【2018 兵庫県神戸市クラス】第9回レッスンリポート(2018年11月26日)

指導者の体調不良により中止。

【2018 兵庫県神戸市クラス】第10回レッスンリポート(2018年12月3日)

 全員出席。ラグビー部員と合わせて25名で行う。

 

  ウォーミングアップを兼ねての対面パスのあと、ループプレーのドリルを行う。ボールキャリアは「流れながらではなくパスをしたあとに加速すること」、パスしたあとは「弧を描くように回り込まず相手の背中に向けて直線的に走ること」。ボールの受け手は、「走りこみながら止まらずにパスを浮かすこと」「人ではなく空間にパスを浮かすこと」をそれぞれ意識するように指導する。

 

   最終回ということもあって、タッチフットボールの時間を長めにとる。やはり試合形式の練習は楽しいようで、ゲームが始まればみんなが集中力を発揮していた。ルールに慣れたこともあって見違えるようなパスのつながりが見られた。

 

    小・中学生は、最初の頃に比べると物怖じせず、積極的にボールに絡むようになった。大学生相手にも声をかけられるようになったし、何よりトライをする場面が増えた。またラグビー部員である大学生は、周囲への視野が広がったように見受けられる。自分の隣にいる味方選手が誰なのか、それを気にしながらプレーできるようになったことが大きな収穫である。

 

   今年も大きな怪我なく終えられたこと、また練習後に保護者から、子供たちが一様に楽しんでいたことを伝えられて、胸を撫で下している。ラグビーの楽しさが味わえたのなら指導者として無上のよろこびである。


【第10回練習内容】

1、対面パス

2、ループプレーのドリル

3、タッチフットボール

 

メインコーチ:平尾

サポートチーム:神戸親和女子大学ラグビー部

総括:伹尾